新薬師寺のみどころ
新薬師寺のみどころは本堂に安置されている本尊・薬師如来と十二神将です。新薬師寺は国宝や重要文化財の仏像が多く、観光しがいがある魅力たっぷりのお寺です。薬師如来像は柔和でふっくらとして、おだやかな表情が印象的です。対照的に周囲を囲む十二神将はクールで力強く、何度も再訪してしまいます。奈良の仏像のなかでもとりわけ人気が高い仏像群で、ファンが多いです。新薬師寺の周辺はのんびりとした田舎の住宅街が広がっており、奈良のおさんぽコースとしてもおすすめです。
新薬師寺
新薬師寺は国宝の十二神将が有名な奈良の寺院です。天平文化の代表的な仏像が揃い、歴史の教科書にたびたび登場する薬師如来と十二神将が安置され、仏像鑑賞の第一歩におすすめです。創建当初は七堂伽藍の大規模な寺院でしたが、平安時代の暴風以降衰退し、現在はこじんまりとした寺院となっています。ひんやりとして厳かなお堂は夏場にぴったりです。
新薬師寺のはじまり
新薬師寺は747年(天平19年)聖武天皇の病気平穏のために光明皇后が建立しました。光明皇后は新薬師寺の建立後、薬師如来像を7躰造立し、仏像に祀ったとされています。創建当時の新薬師寺は大きな伽藍をもつ大寺院で、金堂や塔、回廊などが揃う七堂伽藍(しちどうがらん)があったとされています。
仏堂は桁行9間(幅16.2m)という大きな仏殿で、7躰の薬師如来が安置されていました。当時の薬師如来は平安時代の暴風によって倒壊して現存していません。現在は金堂として使用されていた建造物が本堂として残っています。
新薬師寺の境内
新薬師寺は鎌倉時代後期に建立された南門をくぐると、こじんまりとした境内があらわれます。メインの建造物は国宝指定されている本堂で、歴史の教科書や観光ガイドブックでお馴染みの十二神将が鑑賞できます。境内には石仏群や鐘楼などもあり、軽いさんぽにちょうどよい広さです。奈良公園周辺の喧騒から離れて清々しい時間を過ごせます。
本堂
本堂が創建時から残る国宝の建造物で、国宝や重要文化財に指定されている薬師如来像と十二神将が安置されています。内部構造が土間になっており、中心柱と40本の柱が建物を支えています。外部は本瓦葺きの白壁で、奈良でよく見られる天平文化の代表的な建築です。ひんやりして薄暗いお堂のなかに、厳格な十二神将が並んでいて、迫力があります。
庫裏
庫裏では新薬師寺のこれまでの歴史や仏像のなりたちについてのビデオが無料で鑑賞できます。本堂の説明だけでは知ることのできない新薬師寺の魅力が学べます。手入れが施された庭を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごせるのも魅力のひとつです。
新薬師寺の芸術
新薬師寺は天平文化を代表する国宝仏像を多数所蔵していることで有名です。本尊・薬師如来とその周囲を護る十二神将は歴史の授業でも紹介されるので一度は見たことがあるでしょう。柔和な薬師如来と力強くクールな十二神将は見ごたえがあります。
薬師如来像
薬師寺の本尊は薬師如来像で本堂の中心に鎮座しています。原料はカヤを使用し、頭と胴体が一木造り、手足は寄せ木で作られています。ふっくらした肉付きのある体格で柔和な表情をしており、平安時代初期・天平文化の代表的な仏像彫刻となっています。
新薬師寺の薬師如来像は目がぱっちりと開き、唇には赤い彩色が残っているので明るい印象です。制作された年代は不明ですが、8世紀末の作品であるとされています。光背に6躰の薬師如来像が配されており、薬師如来像1躰で創建時の7躰薬師如来を表現していると推測できます。
十二神将
十二神将は薬師如来とその信仰を護る天部で、薬師如来の四方を護衛しています。天部はインドの神々が仏教に帰依し、釈迦を護衛する役割を担ったとされ、インドラが帝釈天、アースラが阿修羅、ガネーシャが歓喜天といわれています。十二神将は干支の守護神でもあり、甲冑や装飾品にそれぞれの干支をまとっているのが特徴です。
薬師寺の十二神将は塑像で、十二神将としては日本最古といわれています。天平期の作とされ、所々鮮やかな彩色が残っているのが特徴です。十二神将のうち伐折羅大将がもっとも有名で、逆立つ髪と忿怒の表情が勇ましさが人気です。伐折羅大将のすぐそばには造立当初の彩色イメージがあり、当時は極彩色の文様が豪華絢爛に描かれていたことがわかります。十二神将のうち、11躰は国宝指定されており、奈良市内のなかでもとりわけ有名な仏像です。
十二神将の主な名称は下記のとおりです。
干支 | 名称 | 本地仏/菩薩 |
子 | 毘羯羅(ビギャラ)大将 | 釈迦如来 |
丑 | 招杜羅(ショウトラ)大将 | 大日如来 |
寅 | 真達羅(シンダラ)大将 | 普賢菩薩 |
卯 | 摩虎羅(マコラ)大将 | 大威徳明王 |
辰 | 波夷羅(ハイラ)大将 | 文殊菩薩 |
巳 | 因達羅(インダラ)大将 | 地蔵菩薩 |
午 | 珊底羅(サンテラ)大将 | 虚空蔵菩薩 |
未 | 頞儞羅(アニラ)大将 | 如意輪観音 |
申 | 安底羅(アンテラ)大将 | 観音菩薩 |
酉 | 迷企羅(メキラ)大将 | 阿弥陀如来 |
戌 | 伐折羅(バサラ)大将 | 勢至菩薩 |
亥 | 宮毘羅(クビラ)大将 | 弥勒菩薩 |
新薬師寺の御朱印
新薬師寺の情報
寺院名 | 新薬師寺 |
住所 | 〒630-8301 奈良県奈良市高畑町1352 |
電話番号 | 0742-22-3736 |
拝観時間 | 9:00~17:00 |
拝観料 | 大学生以上:600円 中・高校生:350円 小学生:150円 |
公式サイト | 新薬師寺公式サイト |
備考 |
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