六角堂のみどころ
六角堂のみどころは珍しい正六角形の本堂と境内にいる鳥たちです。六角堂は京都人の憩いの場所として長年親しまれている場所で、地元のあたたかい空気感が流れています。境内には大量の鳩がいて、最初は少し怖いですが、よく見てみていると可愛らしさに目が離せなくなります。ゆっくりくつろいで居眠りをしている鳩も多く、警戒心がありません。
人によく馴れていて、六角堂の住人のような雰囲気で堂々としている鳩を見ているとしあわせな気持ちになります。サクラの時期には十六羅漢の池の後方にピンク色のあざやかなしだれ桜が咲きます。にこやかな十六羅漢とサクラのコラボレーションはこちらも顔がほころんでしまいます。
紫雲山 頂法寺(六角堂)

六角堂は京都市街地の中心部に位置する小さな寺院で、いけばな発祥の地です。正式な寺号は「頂法寺」ですが、本堂が六角形をしていることから「六角堂」の呼称で親しまれています。京都市の中心に位置し、ビルや商店に囲まれた市街地にあるのが特徴です。
西国三十三所と洛陽三十三所霊場のひとつでもあり、常に参拝者が訪れてます。いけばな発祥の地で、境内の隣には池坊のいけばな資料館や家元道場があるので着物を着た女性をよく見かけます。
紫雲山 頂法寺のはじまり

六角堂の伝承によると、創建は飛鳥時代で聖徳太子と深い関係があったとされています。聖徳太子が四天王寺建立に際し、建築用材を求めにこの地にやってきました。太子が沐浴をしようと念持仏である如意輪観音像をおいたところ、仏像が重く動かなくなり、光明とともに「この地にとどまりたい」との光明とお告げがあったそうです。
以降太子は伽藍を建て、如意輪観音像を本尊として祀ることになりました。
伝承があるものの近年の発掘調査で飛鳥時代の遺構は見つかっておらず、正式な創建は10世紀頃(平安時代)との見方が強いです。実際の史料では藤原道長「御堂関白記」や藤原実資「小右記」に登場し、観音霊場として有名であったことがわかります。
室町時代から江戸時代末までは、祇園祭の山鉾巡行の順番を決めるくじ引き会場して使用されており、町堂として庶民の信仰が篤い寺院でした。これまで確認できるだけで18回の災害にあっていますが、その都度再興され現在に至ります。
いけばな発祥の地
六角堂はいけばなの根源であり華道家元・池坊(いけのぼう)の発祥地とされ、頂法寺(六角堂)の住職が代々家元を兼ねてきました。いけばなの家元ではもっとも歴史があり、最大の会員数を誇っています。池坊聖徳太子が沐浴した池に由来し、小野妹子が聖徳太子の命で仏前に花を供えたことが華道のはじまりとされています。
西国三十三カ所霊場 第18番札所
西国三十三カ所霊場の第18番札所としても有名な六角堂の本尊は、如意輪観音菩薩です。通常は秘仏とされています。2020年には西国三十三カ所草創1300年の記念事業として、京都国立博物館に出展されたほか、期間限定で特別ご開帳も行われました。
西国三十三カ所観音霊場 第十八番札所 紫雲山 頂法寺
本尊:如意輪観音菩薩
ご詠歌:わが思う心のうちは六(むつ)の角 ただ円(まろ)かれと祈るなりけり
紫雲山 頂法寺(六角堂)の境内

六角堂の境内は京都市街地に位置し、まわりをビルに囲まれています。本堂の六角堂を中心として、太子堂や親鸞堂など小さな御堂が点在しています。聖徳太子が沐浴された池には白鳥、六角堂の周囲には鳩がおり、さまざまな鳥類と触れ合える憩いの場所です。京都に来た時の暇つぶしや休憩にぴったりです。
六角堂

六角堂は頂法寺の本堂で屋根が複雑な構造をしており、平面構造の六角形の屋根を2枚重ねています。現在の本堂は1877年(明治10年)建立で、比較的新しい建物です。内陣には秘仏・如意輪観音像が祀られており、堂内に立ち入ることはできません。境内の隣にあるWEST18のエレベーターからは、本堂を上から眺めることができ、屋根の美しい六角形を眺められます。
十六羅漢
十六羅漢は家元道場の手前にある人口池の岩にのっている十六人の羅漢像です。かわいらしい表情をした穏やかな仏像で、一人ひとりの顔や姿を眺めているとリラックスできます。六角堂の十六羅漢は「和顔愛語(わげんあいご」を実践しており、みんな笑顔です。いつもにこにこしていれば必ず良い報いがあるという教えをあらわしています。
へそ石

へそ石は、山門をくぐった握側の柵の囲いのなかにある平面六角形の石です。旧本堂の礎石として伝えられており、平安京造営以前から一が変わらないとされています。六角堂が京都の中心とされていたことから、体の中心であるへそになぞらえ「へそ石」と呼ばれています。
いけばな資料館
いけばな資料館は六角堂に隣接する池坊会館の3階にある資料館で、いけばなに関する歴史資料や花伝書、花器などが展示されています。展示コーナーでは年に一回テーマに基づく展示を行なっており、池坊に関する知見を深められる資料館として、華道家に人気があります。
六角堂の御朱印

六角堂の基本情報
寺院名 | 紫雲山 頂法寺(しうんざん ちょうほうじ) |
住所 | 〒604-8134 京都府京都市中京区六角通東洞院西入堂之前町 |
電話番号 | 075-221-2686 |
拝観時間 | 6:00–17:00(納経時間 8:00–17:00) |
拝観料 | 無料(境内自由) |
公式サイト | 紫雲山頂法寺公式サイト |
備考 |
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