梅雨でもお寺めぐりを楽しみたい
近畿は梅雨入りし、ぐずついた天気が続いています。最近は晴れ間が差す日も増えましたが、雨の日はあまり外出する気になりません。とはいうものの、ずっと家の中でひきこもっていると気持ちが滅入ります。雨が本降りの日はおすすめできませんが、小雨程度ならすこし外に出てみるのがおすすめです。梅雨時期は境内のあじさいや石畳がよく映えます。雨が降った後には水たまりに映るリフレクションが幻想的で、雨の日ならではの美しい景色が楽しめます。今回は梅雨の時期に行くべき!雨の日におすすめの寺院【6選】をご紹介します。鎌倉と京都の寺院をピックアップしたので、ぜひお近くのお寺に足を運んでみてください。
雨の日におすすめの寺院3選【鎌倉編】
- 雨の日におすすめの寺院①:明月院(めいげついん)
- 雨の日におすすめの寺院②:長谷寺(はせでら)
- 雨の日におすすめの寺院③:妙法寺(みょうほうじ)
あじさいの名所として知られる【明月院】
明月院は「あじさい寺」として知られる鎌倉の観光名所で、例年あじさいの時期には大混雑します。境内には「姫あじさい」が約2500株植えられており、色鮮やかなブルーの花を咲かせます。姫あじさいは咲き始めは白く、徐々に色味が増していく品種でピークの時期に鑑賞するのがおすすめです。明月院は姫あじさいが約90%を占め、ピークには境内がブルーに染まります。あざやかなブルーの色は「明月院ブルー」とよばれており、鎌倉のあじさいを代表するカラーです。
明月院のあじさいの見頃とピーク
明月院のあじさいの見頃は例年6月の2週目頃で、ピークは6月中旬~下旬です。2021年はあじさいの開花が早く、6月の初旬にはちょうどよい見頃になるでしょう。雨に濡れたあじさいはブルーの色が濃くよく映えます。露がしたたる雨あがりや小雨の日に訪れるとより美しいあじさいが鑑賞できます。今年は新型コロナウィルスの影響で6月の土日は閉門されるので、平日の早い時間に行くがおすすめです。
明月院の見どころ:悟りの窓
明月院はあじさいと並び有名なのが「悟りの窓」です。悟りの窓は明月院の本堂にある丸窓のことで、丸窓からは非公開の庭園が臨め、四季折々の風景を絵画のように観賞できます。見事な額縁となる丸窓からは、夏には力強い青葉、秋にはしっとりした紅葉が色づき、風光明媚な景色が堪能できます。
基本情報
寺院名 | 明月院(めいげついん) |
地図 | |
電話番号 | 0467-24-3437 |
拝観時間 | 9:00~16:00 ※6月:8:30~16:00 |
拝観料金 | 高校生以上:500円 小中学生:300円 障がい者:無料 ※庭園公開:別途500円 |
公式サイト | 鎌倉観光公式ガイド |
備考 | 2021年6月は新型コロナウィルスの影響で土日が閉門されます。 |
色とりどりのあじさいが咲き誇る【長谷寺】
長谷寺は明月院と並ぶあじさいの名所で、明月院の品種とは異なるヤマアジサイやガクアジサイが鑑賞できます。長谷寺の境内の斜面に沿ってあじさいが植えられており、あじさい路を散策すると約2500株のさまざまな品種のあじさいが楽しめます。あじさい路はあじさいの見頃の時期を迎えると、300円のあじさい鑑賞券の購入が必要です。2021年度は密回避のため混雑時は整理券が発行される場合があります。長谷寺は7:30から開門しているので、早めの時間から行くのがおすすめです。あじさい路以外にも、境内には約40種のあじさいの鉢植えも並びますので、無料エリアでも十分にあじさいを堪能できます。
長谷寺のあじさいの見頃・ピーク
長谷寺は例年5月中旬から下旬にかけてヤマアジサイとガクアジサイが咲き始め、西洋アジサイが6月上旬に開花し始めます。2021年はあじさいの開花が例年より早く6月初旬には見頃になりそうです。2021年5月26日のあじさい路の開花状況は上段が約3割程度です。長谷寺のあじさいは早咲きから遅咲きまで品種が多様なので、遅咲きは6月下旬まで楽しめます。あじさいの鑑賞券は5月29日土曜日から販売が開始されています。
長谷寺の見どころ:十一面観音菩薩像
長谷寺のみどころは十一面観音菩薩像で、日本最大級9.18mの木造彫刻仏です。2021年は十一面観音菩薩の造営から1300年の記念年にあたります。記念事業として十一面観音菩薩像が全身総開帳され、観音像の御足を直接触れられる御足参りが毎日実施されます。御足参りは例年12月18日の観音会のみ(年1回)に開催されているので、2021年は特別な機会です。2021年の梅雨時期はあじさいとともに貴重な十一面観音菩薩像が特別開帳されるので、お近くであれば必ず行ってほしいと思います。
基本情報
寺院名 | 長谷寺(はせでら) |
地図 | |
電話番号 | 0467-22-6300 |
拝観時間 | 7:30~18:30 ※5/29(土)~あじさい時期のみ 3月~9月:8:00~17:00 10月~2月:8:00~16:30 |
拝観料金 | 大人:400円 小学生:200円 鎌倉市福寿手帳ご持参の方:200円 ※あじさい路:300円 *5/29(土)~約3週間 |
公式サイト | 長谷寺公式サイト |
備考 |
あじさいについてもっと詳しく知りたい!
しっとりとした雨上がりの苔が美しい【妙法寺】
妙法寺は鎌倉にある古刹で、鎌倉一の苔寺として有名です。仁王門の先に続く苔の石段が見どころで、雨上がりの日の散策がおすすめです。露に濡れ苔むした石段と左右に自生するシダ植物が青々して、生命力を感じます。雨あがり後の晴れた日は、青空とのコントラストが美しく、写真撮影に最適です。石段は雨に濡れると滑りやすくなるので注意してください。本堂前や参道にアジサイも植えられているので梅雨時期の参拝がおすすめです。
妙法寺の苔の見頃
妙法寺の苔の見頃は新緑が美しい4月~6月で、雨上がりの晴れた日がおすすめです。苔の階段は基本的に日陰ですが、昼頃に到着すると木漏れ日が差し込むので、よりコントラストが美しく現れます。苔が濡れることによって、苔に深みが増し、よりあざやかな色彩が堪能できます。妙法寺は朱色の仁王門があり、苔と同様に雨が降ることによって色が深まります。仁王門の朱色と苔のコントラストの美しさは必見です。雨上がりの晴れた日は蚊が発生しやすいので気をつけましょう。
妙法寺の見どころ:本堂前のあじさい
妙法寺は草木に囲まれた鎌倉の古刹で自然が好きな人にぴったりのお寺です。夏の境内は青々としていて、生命の力強さを感じ、元気がもらえます。本堂前にはあじさいが植えられており、見頃にはアカムラサキやアオムラサキのあざやかな花が咲きほこります。2021年はあじさいの開花が例年に比べて早いので、6月初旬に見頃を迎えるでしょう。露に濡れたあじさいは発色がよく、写真映えが期待できます。
基本情報
寺院名 | 妙法寺(みょうほうじ) |
地図 | |
電話番号 | 0467-22-5813 |
拝観時間 | 9:30~16:30(土日祝) |
拝観料金 | 300円 |
公式サイト | なし |
備考 | 2021年6月は土日のみの拝観です。 |
鎌倉のの寺社めぐりをもっと詳しく!
雨の日におすすめの寺院3選【京都編】
- 雨の日におすすめの寺院①:三室戸寺(みむろとじ)
- 雨の日におすすめの寺院②:善峯寺(よしみねでら)
- 雨の日におすすめの寺院③:三千院(さんぜんいん)
関西ナンバーワンのあじさいの名所【三室戸寺】
三室戸寺は京都でもっとも有名なあじさいの名所で、境内には約50種2万株のあじさいが植えられています。見頃にはピンクやムラサキ・青・白色などの色とりどりのあじさいが境内を彩り、その美しさに圧倒されます。山門をくぐると右手の斜面に沿って広がる植物園があじさい園です。あじさい園は遠くから見るのも圧巻ですが、園内の小径を入るとより近くでさまざまな品種のあじさいを鑑賞できます。まれにハート型のあじさいがあり、女性に人気です。
三室戸寺のあじさいの見頃・ピーク
三室戸寺のあじさいの見頃は例年6月中旬から7月の始めですが、2021年は5月下旬頃に色づき始めているので、6月初旬から中旬くらいが見頃になるでしょう。あじさいは早咲きから遅咲きまで約50品種あるので、1か月程度楽しめます。あじさい園は2021年6月1日(火)から7月11日(日)までの期間限定公開です。6月12日(土)~6月27日(日)19時~21時には、あじさい園の夜間ライトアップも行われます。2021年は開花が早いので、ライトアップは初週に行くのがよいでしょう。
三室戸寺の見どころ:境内
三室戸寺はあじさい園をはじめ、さまざまな植物が栽培されています。初夏の時期は本堂前のハスがきれいです。三室戸寺は本堂や御堂の見学ができないので境内散策が基本になります。境内には初夏のハスのほか、三重塔や源氏物語の石碑などが有名です。あじさい園の近くには小さな枯山水や回遊式庭園などもあり、さまざまな様式の日本庭園が楽しめます。あじさいの時期以外では、4月中旬から5月初旬にかけてツツジ園がおすすめです。
三室戸寺の詳しい情報はこちら
斜面を彩るあじさいの古刹【善峯寺】
善峯寺(よしみねでら)の境内には約3000坪の白山あじさい苑があり、約8000株のあじさいが植えられています。赤や青が鮮やかなセイヨウアジサイや花弁が少ないガクアジサイなど、さまざまな品種を鑑賞できます。善峯寺は山の斜面に沿ってあじさい苑が広がっており、回遊式庭園から臨むとあじさい苑が見渡せ、色とりどりのあじさいの美しさは圧巻です。霧のなかに浮かび上がる色とりどりのあじさいが幻想的ですが、雨の日は坂や階段が滑りやすくなるので注意してください。
善峯寺のあじさいの見頃・ピーク
善峯寺のあじさいは例年6月中旬から7月初旬が見頃で、京都市内のあじさいよりも見頃が遅いのが特徴です。2021年5月24日現在、ガクアジサイやセイヨウアジサイが咲き始めました。しっかりと色づくのは6月初旬とから中旬以降でしょう。あじさいは雨に濡れることで発色がよく色鮮やかになるので、小雨や雨上がりの日に行くのがおすすめです。善峯寺は山の上にあり、雨の日は滑りやすいため、スニーカーや滑りにくい長靴など、万全な服装で出かけましょう。
善峯寺の見どころ:京都を見渡せる眺望
善峯寺は標高300mを超える高台にあり、奥の院からは京都平野と奥には比叡山を臨む絶景が広がり、京都屈指の眺望です。西山の中腹から見渡す京都の景色は圧巻で、京都が緑に囲まれたよい環境の街だということが再認識できます。善峯寺の境内も森林に囲まれて、滝や池に流れる水の音に心癒されます。梅雨時期は霧でかすんだ景色も風情があり、季節や天候によってまったく違う表情があります。6月のあじさい時期のほかに、4月の桜や秋の紅葉シーズンの景色もおすすめです。京都市内から離れていることもあり観光客が少ないのも特徴で、ゆっくりと季節の草木を楽しめます。
基本情報
寺院名 | 善峯寺(よしみねでら) |
地図 | |
電話番号 | 075-331-0020 |
拝観時間 | 8:30~17:00※土日祝は8:00~ |
拝観料金 | 大人:500円 高校生:300円 小・中学生:200円 |
公式サイト | 善峯寺公式サイト |
備考 |
三室戸寺と善峯寺から始める西国三十三所めぐり
しっとりとした緑色の苔が美しい【三千院】
三千院は京都大原にある門跡寺院で、境内の苔の美しさが有名です。初夏の苔は青々としていて、美しい緑の絨毯が境内全体に広がります。苔の上には小さなわらべ地蔵がおり、頬ずえをついて寝そべっていたり、首をかしげたり、苔から頭を覗いていたりします。お地蔵様といえば直立不動なイメージですが、動きのあるわらべ地蔵は可愛らしく、青々とした苔とのコントラストの美しさも必見です。小雨や雨上がりの日には石の色も深みが出るので、表情がくっきり鮮明になり、晴れの日よりも写真映えします。
三千院の苔の見頃
三千院の苔の見頃は5月から7月頃で雨上がりの晴れた日の木漏れ日が差し込む時間帯がおすすめです。日向と日陰の緑のコントラストがより一層苔の美しさを引き立てます。6月上旬頃までは新緑の青もみじが楽しめます。さまざまなグリーンのコントラストが三千院の境内を囲み、風光明媚な夏の景色が楽しめます。
三千院の見どころ:木造阿弥陀三尊像
三千院の見どころは木造阿弥陀三尊像です。苔生した境内にある小さな阿弥陀堂に安置されている三尊像で、脇侍の観音菩薩像と勢至菩薩像に特徴があります。両脇侍が前傾姿勢になっていて、会釈しているように見えます。はじめて木造阿弥陀三尊像を拝観したときは、その姿の美しさに息を呑みました。お参りをしたあとに苔の美しい境内を目の当たりにして、さらに心が洗われた経験があるので、木造阿弥陀三尊像は必ず拝観してほしいと思います。
基本情報
寺院名 | 三千院(さんぜんいん) |
住所 | |
電話番号 | 075-744-2531 |
拝観時間 | 9:00~17:00 (11月:8:30~17:00、12月~2月:9:00~16:30) |
拝観料金 | 一般:700円 中・高校生:400円 小学生:150wン |
公式サイト | 京都大原三千院公式サイト |
備考 |
雨の日に美しいお寺に観光しよう
鎌倉と京都はあじさいが有名な寺院が多く、梅雨や雨の日に美しさが増します。梅雨時期にコロナ禍のステイホームが重なり、運動不足になりがちな日々ですが、あじさいや苔の観賞にお寺を散歩してみると、憂鬱な気分が吹き飛びます。2021年はあじさいの開花が早いので、全体的に6月初旬に見頃を迎え、中旬にかけてピークになりそうです。早めにスケジュールを立てて、密を回避しながら楽しんでほしいと思います。
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