御朱印集めが楽しくなる!伝統的な神社仏閣めぐり

お寺や神社にハマりはじめたけれど、どこに行ったらいいのかわからない!そんな方におすすめの楽しみ方が「巡礼」です。巡礼は寺院が決められているので、どこのお寺に行ったらいいか迷うことなく巡ることができます。
日本の巡礼では四国八十八ケ所霊場(通称:お遍路さん)がもっとも有名ですが、全国にはさまざまな巡礼があります。今回は関西近郊でできる巡礼3選をご紹介します。
巡礼とは?

巡礼とは聖地や霊場を参拝してまわることを指し、広辞苑では以下のように定義しています。
①聖地・霊場を参拝してまわること。キリスト教徒のパレスチナ巡礼、イスラム教徒のメッカ巡礼、日本では西国巡礼・四国巡礼・三塔巡礼・千箇寺参りの類。
https://sakura-paris.org 広辞苑
②諸所の霊場を巡拝する人。笈摺を背にし、菅笠を戴き、脚絆・甲掛をつけ草鞋をはき、詠歌を唱えて途中の門戸に銭を乞う。「―宿」
巡礼は一般的に宗教的な儀礼を指し、日常の生活空間から離れ宗教上の聖地を旅することで、救済や祈願または信仰心を示します。
世界の巡礼

キリスト教やイスラム教の巡礼は世界的に盛んなことが有名で、キリスト教のサンティアゴ巡礼やイスラム教のメッカ巡礼が代表とされます。イスラム教は信者が行うべき5つの行為(五行)に大巡礼(ハッジ)が含まれており、例年ハッジ(巡礼月)には世界中のイスラム教徒が300万人以上、聖地メッカに集まっています。
日本の巡礼

日本でも古くから巡礼が行われており、各地の観音霊場をめぐる浄土信仰の巡礼や、レクリエーションの意味合いが強い「お伊勢参り」や「冨士講」などが挙げられます。関西では西国三十三所巡礼がよく知られており、約1300年の歴史があります。古くからの巡礼は関西や近畿圏に聖地が点在している場合が多いですが、比較的新しい巡礼は聖地が密集している場合も多いです。
近所にお散歩に出かける感覚で始められる巡礼もあり、健康維持の目的としてもおすすめです。関西圏では約50の巡礼ルートがあり、最近では観光目的につくられた巡礼も出来ています。お寺の楽しみ方のひとつとして、巡礼を始めてみてはいかがでしょうか?
京都で人気な寺院巡礼3選

今回は約50以上ある巡礼のなかで、人気が高い3つの巡礼を紹介します。関西でもっとも人気な巡礼は西国三十三ケ所巡礼で、京都・大阪・兵庫・滋賀・奈良・和歌山に札所が点在しています。1300年の歴史があり、古くから伝わる伝統的な巡礼として人気があります。
洛陽三十三所巡礼と都七福神めぐりは京都市内の寺院のみで構成されているため、京都市在住者や京都観光が好きな人におすすめです。
西国三十三所巡礼

西国三十三所巡礼は日本最古の巡礼とされ、約1300年の歴史があります。関西2府4県と岐阜をあわせた2府5県にまたがり、三十三ケ所の札所があります。西国三十三所巡礼は718年(養老2年)に大和長谷寺の徳道上人が三十三カ所の観音霊場の礎を築いたことがはじまりです。巡礼はすぐに発展せず、270年後に花山法王が復興し再興されました。
御朱印のルーツ

御朱印は神社仏閣好きには欠かせない神社仏閣参拝の証です。御朱印は西国三十三所巡礼にルーツがあるとされ、巡礼の礎を築いた徳道上人が冥途で閻魔大王から授かった三十三宝印が起源とされています。宝印とされる御朱印は極楽浄土への通行手形として三十三所すべての寺院で集めます。御朱印は巡礼専用の納経帖や掛け軸などに書き留めてもらいます。
西国三十三所巡礼草創1300年「記念朱印・散華」授与

西国三十三所巡礼は2018年で草創1300年を迎えました。2016年~2020年の5年間にわたり、巡礼所33寺院が歴史的な特別行事を展開しておりましたが、2020年新型コロナウィルスの影響で中止・または延期しているイベントもあります。
記念朱印については2023年3月31日まで延長となり、散華は2022年3月31日までです。散華はJR西日本の「西国三十三所めぐりスタンプラリー」の企画の一部で、京阪神エルマガジン社発行「公式ガイドブック 西国三十三所をめぐる本 550円」を購入し、各駅のスタンプラリーに参加し、すべての寺院を満願すると、散華台紙がもらえるそうです。観音経の一部ができきあがるそうなので、これから西国三十三所を挑戦してみたい方はチェックしてみてください。
西国三十三所巡礼マップ
西国三十三所巡礼の札所一覧
西国三十三所巡礼の1/3は京都府内にあり、一部を除いては比較的行きやすい場所にあります。1日に巡礼する場所を決めて、効率よく周るのがおすすめです。
※リンクがある寺院はクリックすると詳しい情報が見られます。
- 第一番 青岸渡寺
- 第二番 金剛宝寺
- 第三番 粉河寺
- 第四番 施福寺
- 第五番 葛井寺
- 第六番 南法華寺(壷阪寺)
- 第七番 岡寺
- 第八番 長谷寺
- 第九番 南円堂
- 第十番 三室戸寺
- 第十一番 上醍醐 准胝堂
- 第十二番 正法寺(岩間寺)
- 第十三番 石山寺
- 第十四番 三井寺
- 第十五番 今熊野観音寺
- 第十六番 清水寺
- 第十七番 六波羅蜜寺
- 第十八番 六角堂 頂法寺
- 第十九番 革堂 行願寺
- 第二十番 善峯寺
- 第二十一番 穴太寺
- 第二十二番 総持寺
- 第二十三番 勝尾寺
- 第二十四番 中山寺
- 第二十五番 播州清水寺
- 第二十六番 一乗寺
- 第二十七番 圓教寺
- 第二十八番 成相寺
- 第二十九番 松尾寺
- 第三十番 宝厳寺
- 第三十一番 長命寺
- 第三十二番 観音正寺
- 第三十三番 華厳寺
おすすめの巡礼方法

西国三十三カ所観音霊場の巡礼地は広範囲に分布しており、公共交通機関のアクセスが困難なところが数多くあります。わたしの場合はアクセスが良好なお寺は電車とバスを利用し、1日に複数のお寺を巡礼しました。遠方については最低でも1日に2カ所を巡ることを目標として、レンタカーで移動しました。
阪急交通社やクラブツーリズムなど各旅行会社で、西国三十三カ所観音霊場の巡礼ツアーを催行しているようなので、交通の便に心配がある方はぜひ利用してみるとよいでしょう。
洛陽三十三所観音巡礼

洛陽三十三所観音巡礼は京都市内にある観音菩薩像を祀る三十三ヵ寺を巡る巡礼です。京都市のみに札所が集中しているので、おさんぽ感覚で始められます。京都の観光スポットとして有名な寺院が多いので、京都近郊の方だけでなく、京都が好きな遠方の方にもおすすめです。
洛陽三十三所観音霊場は平安時代に後白河天皇によって定められたのがはじまりで、札所が広域な西国三十三所に替わる霊場巡りを京都市内のみに設置しました。しかし洛陽三十三所巡礼は応仁の乱や明治の廃仏希釈により衰退し途絶えていましたが、2005年(平成17年)に平成の復興を遂げ、現在では人気の巡礼のひとつとなっています。
再興15年記念「記念朱印・記念腕輪お守り授与」

洛陽三十三観音巡礼は2005年に復興し、2020年に再興15年を迎えました。2020年には記念として「記念朱印・記念腕輪お守り」が授与されていましたが、新型コロナウィルスの影響で2022年3月31日まで延長になりました。例年とは異なる特別な御朱印がもらえるチャンスとなっているので、ぜひこの機会に巡礼を始めてみてはいかがでしょうか?
洛陽三十三所観音巡礼マップ
洛陽三十三所観音霊場札所一覧
洛陽三十三所観音霊場は京都市内のみに札所が集中しており、徒歩やバスを利用して気軽に巡礼が楽しめます。
※リンクがある寺院はクリックすると詳しい情報が見られます。
- 第一番 六角堂(三条寺町・四条河原町)
- 第二番 誓願寺(三条寺町・四条河原町)
- 第三番 護浄院(京都御所)
- 第四番 行願寺(京都御所)
- 第五番 真如堂(岡崎・吉田・鹿ヶ谷)
- 第六番 金戒光明寺(岡崎・吉田・鹿ヶ谷)
- 第七番 長楽寺(祇園・東山)
- 第八番 大蓮寺(岡崎・吉田・鹿ヶ谷)
- 第九番 青龍寺(祇園・東山)
- 第十番 清水寺 善光寺堂(祇園・東山)
- 第十一番 清水寺 奥の院(祇園・東山)
- 第十二番 清水寺 本堂(祇園・東山)
- 第十三番 清水寺 朝倉堂(祇園・東山)
- 第十四番 清水寺 泰産寺(祇園・東山)
- 第十五番 六波羅蜜寺(祇園・東山)
- 第十六番 仲源寺(祇園・東山)
- 第十七番 三十三間堂(東山七条)
- 第十八番 善能寺(東福寺・稲荷)
- 第十九番 今熊野観音寺(東福寺・稲荷)
- 第二十番 泉涌寺(東福寺・稲荷)
- 第二十一番 法性寺(東福寺・稲荷)
- 第二十二番 城興寺(京都駅)
- 第二十三番 東寺(京都駅)
- 第二十四番 長圓寺(京都駅)
- 第二十五番 法音院(東福寺・稲荷)
- 第二十六番 正運寺(二条城)
- 第二十七番 因幡薬師(京都駅)
- 第二十八番 壬生寺 中院(二条城)
- 第二十九番 瓢箪寺(北野・西陣)
- 第三十番 椿寺(北野・西陣)
- 第三十一番 東向観音寺(北野・西陣)
- 第三十二番 廬山寺(京都御所)
- 第三十三番 清和院(北野・西陣)
おすすめの巡礼方法

洛陽三十三所観音霊場は京都市内の中心部に札所が集中しているので、徒歩での巡礼が可能です。 洛陽三十三所観音霊場公式サイトには徒歩のおすすめルートが紹介されています。4日間で巡礼できるコースとなっており、札所が多いわりには気軽に「できる巡礼コースです。
都七福神めぐり

都七福神めぐりは、京都市内の七福神をめぐる巡拝です。全国にある七福神めぐりの発祥で、室町時代に誕生したといわれています。古くから正月一日の夜に宝船に乗った七福神の絵を枕元に入れて寝ると幸福がやってくるという言い伝えもあり、民衆に親しまれてきました。七福神めぐりは新春に行うと縁起がよいとされています。
巡礼地も七カ所のみなので、気楽に始められるのもメリットです。関西近郊でなくても、週末の旅行で巡礼が完了できるでしょう。七福神めぐりは専用の色紙があり、巡礼が終了したあとは部屋に飾っておくこともできます。
都七福神めぐりマップ
都七福神めぐり一覧
- (ゑびす神) ゑびす神社
- (大黒天) 松ヶ崎大黒天
- (毘沙門天) 東寺
- (弁財天) 六波羅密寺
- (福禄寿神) 赤山禅院
- (寿老神) 革堂
- (布袋尊) 万福寺
おすすめの巡礼方法

都七福神めぐりは京都市内で7カ所のみなので、比較的周りやすいですが、京都市内の南北に広く分布しているので、地下鉄やバスを効果的に活用して巡礼するとよいでしょう。例年1月には定期観光バス(大人10,500円)が毎日催行しており、1日ですべてを周れるお得なツアーもあります。
お寺が好きになったら観音霊場巡礼に挑戦してみよう!

巡礼は聖地をすべてまわりきることが大切ですが、巡礼中に起こるさまざまな出来事や過程において気づきや学びがたくさんあります。巡礼を通して、仏教の精神に触れると日常生活のあり方や生活によい影響があるでしょう。
巡礼をすべて完了すると目標達成になり、自分自身の自信につながります。またお寺に定期的に参拝することは健康増進に役立ちます。お寺めぐりや巡礼は心身ともが健康で豊かになるのでおすすめの趣味です。もし興味があれば挑戦してみてください。
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