【岡寺】日本最初の厄よけ霊場と如意輪観音像

お寺と神社

岡寺のみどころ

出典:写真AC

岡寺のみどころは、日本最大最古の塑像仏像「如意観音像」と五重塔から眺める明日香村の雄大な景色です。

如意輪観音座像は、ふくよかでどっしりしていて、塑像ならではの重厚感を感じます。口には赤い彩色が残っていて、艶やかさを感じる仏像でもあります。全体的に菩薩というより如来の近い作りの観音菩薩像で、他に類をみない珍しい仏像です。

境内には、本堂から高台にあたる場所に三十宝塔があります。そこからの眺望が美しく、奈良の広大な自然を感じることができます。都市に住んでいると忘れがちな「感じること」を思い出させてくれる場所でもあります。

真言宗 豊山派 東光山 真珠院 龍蓋寺(岡寺)

岡寺は日本最古の厄よけ霊場として、奈良時代に創建された由緒ある奈良の寺院で、厄除けの祈祷に多くの人が訪れます。

本尊である如意輪観音像は、日本最大で、8世紀(奈良時代)に作られた最も古い塑像の仏像です。西国三十三カ所巡礼の札所でもあり、熱心な仏信徒や仏像ファンに人気があります。

岡寺のはじまり

岡寺は、1300年前に天智天皇の勅願を受けた義淵僧正によって創建されました。義淵僧正は、東大寺の基を開いた良弁や行基など、奈良時代の仏教を興隆した多くの先駆者の師として知られています。

元々は、龍蓋寺という寺名でしたが、古来より飛鳥の丘にあるお寺ということで「岡寺」と呼ばれ、親しまれてきました。

日本最古の厄よけ霊場

岡寺は、日本最古の厄よけ道場とされています。昔この寺の近くに農地を荒らす悪龍がいて、義淵僧正の法力によって、池に封じ込めたことが、厄よけ道場の由来となりました。「災いを取り除く」という伝説が、厄よけ信仰の代わり、「厄よけ霊場」として形成されていったそうです。

岡寺の正式名称「龍蓋寺」もその伝説から名付けられています。今もその龍を封じ込めた池は、本堂前に残っています。

西国三十三カ所巡礼 第7番札所

岡寺は、西国三十三カ所霊場の第7番札所です。

西国三十三カ所巡礼は、近畿地方における三十三カ所観音巡礼のことを指します。巡礼は観音信仰をより深めようと霊場を旅することです。日本の巡礼のなかでは最も歴史が古く、1090年(寛治4年)の行基の巡礼がはじまりとも云われています。

巡礼者は白装束を纏い、参拝時に納経し、巡礼の証として、専用の朱印を掛け軸や朱印帳に集めています。日本の巡礼としては四国遍路八十八カ所が有名です。

奈良大和 四寺巡礼

出典:奈良大和四寺巡礼の会

奈良大和 四時巡礼は、奈良の中和地区の四ヶ寺によって結成された観光客向けの巡礼です。岡寺のほかに、室生寺、安部文殊院、長谷寺が加盟しています。

いずれも日本の仏像の傑作を安置し、美しい花が咲き誇り、ほとけの御心を感じられる寺院です。岡寺は、重要文化財の如意輪観音像やシャクナゲの花が有名です。

岡寺の境内について

岡寺は、名の通り丘の上にあり境内にも起伏があります。本堂をはじめ、さまざまな建物があち、仁王門と古書院が重要文化財に指定されています。花の寺としても知られる岡寺は、季節によって境内に咲く花を楽しめます。

本堂


岡寺の本堂は、ご本尊である如意輪観音像を安置している御堂です。正面の仏具の奥に、高さ4mのご本尊が居られます。

1月~3月までは厄よけ法要のため、内陣に入ることができませんが、4月~12月は一般の内陣参拝を許可されています。如意輪観音像をより近くで鑑賞できます。

仁王門

仁王門は岡寺の入り口となっている山門で、国指定重要文化財です。左右両脇に仁王像、四隅の上に阿獅子、吽獅子、龍、虎を配する珍しい形態をとっています。1月は、謹賀新年の弾幕や門松が備えられ、豪華絢爛な仁王門になります。

龍蓋池

出典:写真AC

龍蓋池は、岡寺が厄よけ道場となったゆかりの池です。岡寺の開祖である義淵僧正が悪流を封じ込めた伝説があります。

岡寺では。毎年GW期間(4/29~5/5)に「華の池」というイベントが行われてます。龍蓋池や手水舎に色とりどりのダリアが浮かべられ、水面をあざやかに彩ります。

三重宝塔

三重宝塔は、岡寺を目指して坂を上ると見えるシンボルです。鮮やかな朱色の三重塔で、とても美しく写真映えします。三重宝塔までの道のりが境内の散歩道になっています。秋には美しい紅葉が待っています。

三重宝塔がある高台は眺望がよく、奈良・飛鳥の広大な自然を堪能できます。ここの来ると長い坂を上がってきた甲斐があります。

毎年10月第3日曜日の開山忌には開扉され、1階部分の扉絵や壁画が公開されます。

しゃくなげの道ともみじのトンネル

出典:写真AC

岡寺は花の寺としても知られていて、4月中旬~5月初旬のシャクナゲとサツキ、秋のもみじの紅葉が有名です。

本堂より奥の稲荷社から奥の院石窟を通って、その先に続く道が、初夏にピンクのシャクナゲが咲き誇ります。秋になると、さらにその奥の三重宝塔に続く道がもみじのトンネルになります。岡寺の境内は季節によって、異なる表情を見せてくれます。

岡寺の芸術

岡寺のもっとも有名な芸術は、国内最古かつ最大を誇る塑像・如意輪観音像です。1300年もの歴史を誇り、多くの寺宝を所蔵する岡寺ですが、その多くは国立博物館に寄贈されています。東京・京都・奈良国立博物館に来館の際には、ぜひ岡寺の寺宝を探してみてください。

日本最古の塑像【如意輪観音菩薩】

出典:https://www.instagram.com/p/B8CtxAElrfS/

岡寺には、日本最大の塑像観音像「如意輪観音像」が安置されています。8世紀奈良(奈良時代後期)に制作された日本最古の塑像で、弘法大師がインド、中国、日本の三国の土を使用して造ったとされています。胎内には金銅の如意輪観音菩薩像が治められていると云われています。

岡寺の如意輪観音像は観音菩薩でありながら、如来に近い印象です。ふっくらとした体格が、寛容かつ貫禄があり、どっしりしています。高さ4.85mを誇る大仏ですが、本堂の建物内にサイズぴったりに安置されており、少し窮屈そうです。

岡寺の催し

厄除け祈祷

岡寺では、厄除け祈祷ができます。祈祷の申し込みが済むと内陣に案内されます。ここでは般若心経と妙法蓮華経を読経して頂きました。

厄除け供養は、お布施の値段によって、供養の仕方が変わります。一番高額な納付であれば、お札は1年間本堂に安置され、毎日供養されます。わたしは、1週間の供養をして頂きました。

1週間後、本堂に供養されたお札が家に届きます。玄関に貼るお札も同封されており、お札のお祀りの仕方も丁寧に書かれていました。

星祭り

岡寺では、毎年1月28日~2月3日まで星祭りが開催されます。正式名称を「開運厄除星祭」と云い、古来より年の変わり目である節分に、その星の祈祷をすることによって、悪事災難を免れるように祈る儀式です。

この7日間のみの祈願札があり、この期間に申し込むと最終日の結願を終えると、祈祷された札が家に届きます。

飛鳥 光の回廊

出典:写真AC

岡寺では、明日香村が主催している年に1度の夜間拝観・ライトアップ「飛鳥 光の回廊」に協賛しています。毎年9月のこの時期だけ、夜間拝観ができます。灯籠やライトアップなど、夜の幻想的な岡寺はより一層魅力的です。

岡寺の御朱印

岡寺の情報

寺院名 岡寺(おかでら)
住所
電話番号 0744-54-2007
拝観時間 8:30~17:00(12月~2月 8:30~16:30)
拝観料 一般:400円 高校生:300円 中学生:200円 小学生以下:無料
公式サイト 岡寺公式サイト
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