金峯山寺のみどころ
金峯山寺のみどころは、秘仏である3躰の蔵王権現です。高さ約7mの極採色で彩られた蔵王権現は大迫力で、忿怒相でギラっとにらみを効かせる姿に圧倒されます。一般的にみられる有名な仏像にはみられない珍しい風貌をしているのも魅力です。色彩がしっかりと残っており、どこか可愛らしさもあります。
金峯山寺のある吉野山はサクラが見頃の時期に行きましょう。吉野山全体がサクラ色に染まり、圧巻の景色を堪能できます。金峯山寺の境内も吉野桜を筆頭にサクラが咲き乱れ、1年で1番楽しめるはずです。
金峯山寺
金峯山寺はサクラの名所として知られる吉野山にあり、桜の時期には多くの観光客が訪れます。古代より金峯山は山岳信仰の聖地であり、修験道が盛んです。金峯山寺は修験道の創始者・役小角(えんのおづぬ)が開創したとされることからも、修験道の励む山伏の聖地とされています。
和歌山の高野山や熊野三山とならび、「紀伊山地の霊場と参詣道」のひとつとして、本堂蔵王堂と仁王門がユネスコ世界遺産に登録されています。
金峯山寺のはじまり
金峯山寺は修験道の開祖である役小角が根本道場として開創したのがはじまりとされています。役小角は7世紀前半に奈良県御所市で生まれたことから、飛鳥時代に創建されたといえます。金峯山寺の草創については正確な時期や史実が残っておらず、詳しいことはまだわかっていません。
修験道
金峯山寺のキーワードともいえる「修験道」は役小角によって開基された宗教で、古来から信仰されていた山岳信仰に仏教や神道、密教などの要素を取り入れた日本独自の宗教です。
修験道は主に山に籠って修行に励むことによって悟りを開くことを目的とし、日本各地に霊場とされる山があります。山で修験道の励む修行者は「山伏(やまぶし)」と呼ばれ、独自の装束をまとっています。
明治時代には政府の神仏分離令によって一時禁止されましたが、現代でも金峯山寺をはじめ、京都の聖護院や醍醐寺などで信仰が続いてます。
修験道の開祖・役小角(えんのおぬづ)
役小角は修験道の開祖として知られ、役行者(えんのぎょうじゃ)の呼び名で親しまれています。呪術に長けていたとされる役小角は、藤原鎌足の病気治癒、鬼神を従える法力や仙人となった伝説など超人的能力に関する史実が多い伝説的な人物です。
一般的に知られる肖像は、頭巾をかぶった細い老人姿で、手には錫杖、高下駄を履き、前鬼と後鬼を従えているのが特徴です。役小角に関する史実は没後に発刊された「続日本紀」や山伏による口伝も多く、修験道や山岳信仰の発達とともに形成されていったといえます。
金峯山寺の境内
金峯山寺の境内は世界遺産に指定されている蔵王堂と仁王門をはじめ、さまざまな御堂があります。サクラの時期は吉野山の借景も重なり、圧倒的な美しさです。
本堂蔵王堂
本堂蔵王堂は本尊・蔵王権現を安置する金峯山寺の中心となる御堂です。東大寺大仏殿に次ぐ大きな木造建築物で、正面5間(約9m)、側面6間(約11m)、高さ約34mあり、1592年(天正19年)に豊臣秀吉の寄進によって建立されました。
本尊である蔵王権現像は高さ7mにも及び、計3体が祀られています。
仁王門
仁王門は1456年(康正2年)に建立された本瓦葺きの二重門で、正面を「北」とする珍しい門です。南向きの本堂に対し北を向いており、お互いが背を向けたように建っています。このつくりは熊野から吉野、吉野から熊野へ向かい双方の巡礼者に対し、配慮したためだといわれています。
金峯山寺の芸術
金峯山寺の芸術といえば蔵王権現が有名です。蔵王権現は通常秘仏とされ、本堂内陣の徐大な厨子に安置されています。行事の時期には特別開帳されることも多く、実際に観覧できる機会の多い秘仏です。
蔵王権現
金峯山寺の蔵王権現は金峯山寺ならびに大峯山の本尊であり、吉野山の信仰対象の中心です。インドや中国から伝承したものではなく日本独自の尊像で、ほかでは見られない珍しい佇まいをしています。
蔵王権現は全長約7mの大きな木造で合計3躰安置され、中央が釈迦如来、向かって右が千手観音、左が弥勒菩薩をあらわし、それぞれ過去・現在・未来の象徴とされています。それぞれ同じような風格をしており、真っ青な体と逆立った頭髪、忿怒相で、一般的にみられる如来や菩薩と異なる明王のような姿が特徴です。
金峯山寺の催し
金峯山寺の催しは役行者の伝説にちなんだ行事が多く、迫力のある行事が一般観光客に人気です。
節分会・鬼火の祭典
節分会は毎年節分に行われる法要と鬼の調伏式です。金峯山寺の節分は通常と異なり「福は内、鬼も内」と唱えます。仏法を説いて鬼を弟子とした役行者の故事に基づき、全国で追い払われた鬼を迎え入れ、仏道に導く儀式とされています。
節分会にあわせて、周辺の門前町でもイベントや施設割引キャンペーンが開催され、町をあげた一大イベントとなっています。
蛙飛び行事
蛙飛び行事は毎年7月7日に行われる蓮華会と共に行われる行事です。蓮華会は役行者が産湯を使われたとされる大和高田市の弁天池の蓮を蔵王権現に供えます。その後に執り行われるのが「蛙飛び行事」で青大ガエルの太鼓台が町内を練り歩き、金峯山寺蔵王堂の前で人間に戻されます。
太鼓台は御神輿となっていて、吉野山中を威勢のいい掛け声が響き渡る大迫力の恒例行事です。
金峯山寺の御朱印
金峯山寺の情報
寺院名 | 金峯山寺(きんぷせんじ) |
住所 | 〒639-3115 奈良県吉野郡吉野町吉野山 |
電話番号 | 0746-63-8371 |
拝観時間 | 8:30~16:00 |
拝観料 | 【蔵王堂拝観料】 大人:800円 【蔵王堂秘仏本尊特別拝観料】大人:1,600円 |
公式サイト | 金峯山寺公式サイト |
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