【The Book of ZEN】禅について連載をはじめます

お寺と神社

禅と瞑想

出典:Photo by Andrew Petrov on Unsplash

禅とは、精神心を安定・統一させることによって宗教的叡知に達しようとする修行法(広辞苑)のことをいいます。一般的に坐禅や瞑想として知られており、仏教の修行僧だけではなく、一般の生活のなかでも取り入れられるようになりました。

瞑想は数年前から日本でもブームが起こっています。瞑想の手法は、静かに眼を閉じて、呼吸を感じながら、ただ坐ります。自分自身を内観し、ゆっくり「いま」を感じることが大切とされています。

出典:Photo by Jezael Melgoza on Unsplash

わたしたちの暮らしは仕事や生活において、めまぐるしく追われてきました。自分自身の心を満たすために求めて得るを繰り返しています。いくら求めてもなにかを得ても、満たされない毎日で得れば得るほど、自分の時間がなくなり、精神的に疲弊していきました。

止まることを知らず突き進んでいく世の中で、世界中が突然動けなくなる出来事に遭遇することになり、それは現在もなお続いています。2020年に世界を襲った新型コロナナウイルスの蔓延です。誰がこんなことを予想していたでしょうか?

先行き不透明な現実

2020年4月初めて緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出が制限され、多くの企業が休業し、航空機をはじめとする長距離輸送がストップしました。海外では都市封鎖により許可証がなければ外出できないなど、日本よりも過酷な制限を強いられる国が多く、全世界に大きな影を落としています。

人間が移動できなくなったことで世界経済が大打撃を受けました。交通や観光・サービスなどのあらゆる事業が停止することで産業がストップし、多くの労働者が職を失い、賃金が低下し、生活苦に直面しています。一方医療業界は増加するウイルス感染者の対応に追われ、肉体的にも精神的にも余裕がない状態が続いています。

2021年5月現在もなお、日本は10都道府県に緊急事態宣言が発令され、ウイルスの流行はいつ収まるのでしょうか?新型コロナウイルスの到来は人間生活の根源を揺るがし、私たちはさまざまな苦しみを味わっています。

出典:写真AC

一方で2020年の緊急事態宣言以降、世界的な移動制限によって改善されたこともあります。これまで環境悪化の一因であった世界のCO2排出量は第2次世界大戦以降はじめて減少しました。人口衛生データの撮影画像においてもその差は歴然です。

また休業によって時間ができたことによって、日々の暮らし方が改善されたという人もいます。これまで当たり前だったことが制限されることによって、私たちは人間の根源を見直すきっかけになったのかもしれません。

今注目すべき禅のこころ

この状況下でわたしができることはなんだろう?と着目したのが、仏教です。かれこれ8年近くになる趣味の神社仏閣めぐり。仏像芸術に魅了され、寺社の静寂な雰囲気に身を置くことが私の日常の癒やしです。わたし自身が禅宗の寺院で生まれ育ち、小さな頃から仏教により近い環境で育ってきた影響が大きいのかもしれません。

2020年の緊急事態宣言下において注目したことが「禅」です。事務所が休業に入り時間ができたので、禅のことを学んでみようと手に取ったのが、3年前に英国で購入した禅の洋書でした。1か月かけて、辞書で意味を調べながら簡単に翻訳してみると、インド・中国・韓国・日本の禅の歴史や文化に触れられる本でした。ちょうど1年が経ち、自分のなかでも時期が到来したようなので、本の内容を中心に禅について紹介させて頂こうと思います。

さいごに

本のなかにこんな一節がありました。

Satori is not a deferred reward it is a state to be experienced here and now. Nor is satori the final goal of Zen, because, in reality, it represents the beginning of Zen life. No book on Zen philosophy can hope to give a map to Enlightenment. Each of us has our personal road to that goal.

The Book of Zen: The Path to Inner Peace  / Eric Chaline

悟りは、報いを先延ばしにすることではなく、今ここにいるという体験の状態です。禅の最終ゴールは悟りではない。実際に、禅の人生は始まっているので、悟りが禅の最終ゴールではありません。禅哲学の本は、悟りへの道筋を与えてくれるものではありません。私たちそれぞれが、自分自身のゴールへの道筋を持っています。

難しいことを追及するのは苦手で、わたしなりの解釈ですが、ちょっとした禅の豆知識として誰かのお役に立てれば光栄です。

参考図書はこちら

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