【飛鳥寺】日本最古の仏像として知られる飛鳥大佛

お寺と神社

飛鳥寺のみどころ

飛鳥寺のみどころは、日本最古の仏像といわれる飛鳥大佛です。日本の歴史教科書で誰もが一度は見たことがある仏像なので、懐かしいと感じる人が多いのではないでしょうか?

飛鳥時代の仏像を特徴づけるアルカイックスマイルを眺めていると心が洗われるようです。明日香村ののどかな雰囲気と柔和な仏像の表情がマッチしていてやさしい気持ちになれる場所です。

飛鳥寺(あんきょいん)

飛鳥寺は日本最古の仏像・飛鳥大佛を安置している寺院として有名です。正式名称は安居院(あんごいん)といいます。仏教興隆の祖の一人とされる蘇我馬子が開基した寺院として、中学校や高校の歴史の授業で習います。

蘇我氏の氏寺でのちに官寺となる歴史上で重要な寺院のひとつです。日本の仏教興隆の礎となった寺院で、本堂に安置されている釈迦如来坐像や創建時の伽藍配置の形式が日本最古の仏教文化遺産とされています。

明日香村は飛鳥時代の古墳や遺跡がたくさんあり、自転車を利用すると効率よく名所を巡ることができます。大和の豪族が台頭し海外の仏教文化を取り入れ、国際的に発展していく過程を探っていくと、日本の歴史の面白さを再確認できます。

飛鳥寺のはじまり

飛鳥寺は、元興寺(がんこうじ)や法興寺(ほうこうじ)という法号で、587年(用明天皇2年)に蘇我馬子が建立を発願し建立されたことがはじまりです。

当時仏教推進派であった蘇我氏は長年にわたって、拝仏派の物部氏と崇仏争論を繰り返していました。宗教対立として始まったこの争いは皇位継承や政治的な対立に発展し、元興寺の建立を発願した587年に丁未の乱(ていびのらん)が起こります。

丁未の乱(ていびのらん)は推進派の蘇我氏が勝利を治め、拝仏派の物部氏は滅び、日本の仏教興隆が急速に発展していきました。

飛鳥寺の建立は、蘇我氏の権力の誇示と象徴としての手段のひとつであったともいえます。 翌年の588年(用明天皇元年)に造立が開始され、606年(推古14年)に完成しました。

以降平城京遷都に伴い都(現在の奈良市)に移転し、元興寺(がんこうじ)の名称で現在も続いています。平安時代になっても飛鳥寺は朝廷からの庇護を受けていましたが、時代の流れと共に衰退し一時は廃寺同然になりました。

記録が残っていない時期が続きますが、飛鳥大佛は現在の場所に残り続け、明日香村の人々によって庇護されてきました。江戸時代には安居院という御堂が建てられ、釈迦如来坐像を修復したと記されています。

蘇我馬子(そがのうまこ)

出典:https://www.instagram.com/p/CAZLim1JxXO/

蘇我馬子は聖徳太子と共に、日本の仏教興隆に尽くした飛鳥時代の重要人物です。外交に深く関わっていた蘇我馬子は仏法に帰依し、仏教の普及に尽力しました。当時蘇我氏と同様に朝廷で権力を持っていた物部守屋は仏教を拒絶したため、崇物論争が起こりついに蘇我馬子は物部守屋を殺し、物部氏を滅ぼします。

以降、日本最初の仏教伽藍となる飛鳥寺と飛鳥大佛の造立、聖徳太子とともに天皇中心の国家づくりや歴史書の編纂などを行いました。崇仏論争は単なる宗教対立ではなく朝廷をめぐる権力争いのきっかけとなりましたが、今日に至る日本仏教の繁栄は蘇我馬子の功績といえるでしょう。

飛鳥寺の境内

飛鳥寺の山門をくぐるとこじんまりとした境内が広がり、右に飛鳥大佛を安置する本堂があります。かつては五重塔を中心とした伽藍形式で、中金堂・東金堂・西金堂を配していましたが、現在は本堂・庫裏・鐘楼・思惟殿があります。

境内にはかつての伽藍跡などが記されており、飛鳥時代の様子を想像しながら眺めると歴史探訪をしているようで楽しいです。

本堂

本堂には本尊・飛鳥大佛が安置されており、日本最古といわれる貴重な仏像を間近に観ることができます。ほかの寺院の仏像鑑賞と比べると圧倒的に近い距離で鑑賞できるほか、写真撮影も可能です。

仏像が安置されている本堂を抜けると、廊下に飛鳥寺から出土された遺跡や瓦などが展示されており、発掘調査当時の様子も見ることができます。

思惟殿

境内にある観音堂(思惟殿)には聖観音が祀られています。表情をよく見てみると、なんとも可愛らしくて、ほかの寺院に祀られている観音様のイメージをまったく異なります。目をぱっちりと開いてキョトンとした顔つきが親しみやすさを感じます。

蘇我入鹿の首塚

飛鳥寺の境内の裏門を出て、西に抜けたところに蘇我入鹿の首塚があります。蘇我馬子の孫にあたる蘇我入鹿は、大家の改新によって中大兄皇子と中臣鎌足によって暗殺されました。当時朝廷があった飛鳥板葺宮から入鹿の首が飛んできた場所という言い伝えからこの地に首塚がつくられたそうです。

飛鳥寺の寺宝

飛鳥寺は日本最古の仏像・飛鳥大佛が安置されています。歴史の教科書に必ず登場する飛鳥時代を代表する彫刻で、明日香村観光では見逃せない寺宝のひとつです。

釈迦如来坐像(飛鳥大佛)

飛鳥大佛として親しまれる本尊・釈迦如来坐像は日本最古の仏像として知られています。609年(推古天皇17年)に鞍作鳥(くらつくりのとり)※別名・止利仏師(とりぶっし)によって造立されました。

銅と黄金で鋳造された釈迦如来像は高さ約3メートルの巨大な坐像です。飛鳥寺の衰退もあり、野ざらしにされていた期間も長かったため、ほとんどが後に修復されましたが、頭部と右手指の一部が創建当時のまま残っています。

飛鳥大佛は飛鳥文化の彫刻の最高傑作と称され、口元がわずかにほほ笑むアルカイックスマイルとアーモンド形の目が特徴です。左右非対称で表情が異なる点も見逃せません。

飛鳥寺の衰退に伴いさまざまな苦難をあった飛鳥大佛ですが、明日香村の人々によって、大切に守られてきました。大仏は聖徳太子が産まれた橘寺の方向に向いており、いつも世を見守っています。飛鳥大佛の写真撮影がOKなことも、庶民によって守られてきたからこその配慮です。

日本最古の瓦

飛鳥寺は日本最古の仏教伽藍で創建時には瓦を利用した屋根が造られました。平城京遷都の際にならまちにある元興寺に移転をしていますが、発掘調査時に出土された瓦が展示されています。

飛鳥寺の御朱印

飛鳥寺の情報

寺院名 飛鳥寺(あすかでら)
住所 〒634-0103 奈良県高市郡明日香村飛鳥682
電話番号 0744-54-2126
拝観時間 9:00~17:30 ※10月~3月は17:00まで
拝観料 大人・大学生:350円 中・高校生:250円 小学生:200円
公式サイト 奈良県観光公式サイト
備考

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